コガちゃんねる~政府デジタル庁と米国巨大IT企業との巨額なクラウド契約を徹底的に調査する~

2024年12月23日(月)

参議院「地域創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会」 「デジタル行政推進法案」に対する質疑 ・ガバメントクラウドの推進(地方自治体などの移行検討の努力義務) ・地方自治体からの預かり金のデジタル庁によるクラウド企業への一括払い ※ガバメントクラウドとは、デジタル庁によると: 「政府共通のクラウドサービスの利用環境です。クラウドサービスの利点を最大限に活用することで、迅速、柔軟、かつセキュアでコスト効率の高いシステムを構築可能とし、利用者にとって利便性の高いサービスをいち早く提供し改善していくことを目指します。地方公共団体でも同様の利点を享受できるよう検討を進めます。」 https://www.digital.go.jp/policies/go…

【目次】

(1)地方自治体の基幹業務システム標準化の期限、システム標準化の支援基金の設置期限の延長について

(2)米国クラウド企業(アマゾン、グーグルなどのビッグ・テック)と我が国デジタル庁との契約交渉、特にドル建て一括払い制度について

(3)地方自治体の基幹業務システムを運用している現在の単独クラウドや自治体クラウドから「ガバメントクラウド」へ移行する際の技術面や経済性について

【内容】

(1)地方自治体の基幹業務システム標準化の期限、デジタル基盤改革支援基金の設置期限の延長について (対総務政務①) ①地方自治体の基幹業務システム標準化への取組(=「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律で定める責務)が、期限の2025年度末に間に合わず、その期限の延長と、移行作業の補助金として使える「デジタル基盤改革支援基金」の設置延長の要請が数多くの自治体から寄せられている。現実問題として、標準化の期限延長は「地方公共団体情報システム標準化基本方針」の改訂で年末に対応する旨がすでに総務大臣より明言されており、一方、「デジタル基盤改革支援基金基金」の設置延長の方は、「地方公共団体情報システム機構法」という法律の改正が必要であるわけで、総務省は今国会において改正案を提出するべきだったのではないか。

(2)米国クラウド企業(いわゆるビッグ・テック=例えば、アマゾン、グーグル、マイクロソフト、オラクルなど)との契約交渉、特に預り金・ドル建て一括払いなどについて (対デジタル大臣③④⑤⑦、対経産政務⑥、対デジタル庁②⑤、個人情報保護委員会⑤) ②地方自治体・デジタル庁・米国クラウド企業の間でクラウド契約の関係や、請求/支払いの手順は具体的にどのようになっているのか。 ③ドル建て請求を年度予算で動く地方自治体に毎月支払わせる環境整備とは国としてどうなのか。 ④デジタル庁で地方自治体の支払いを預かって(保管金)、それをデジタル庁が預り金として、米国クラウド企業に一括払いするという方式は誰の(どちら側の)提案か。国は米国クラウド企業側との交渉に際して、何に優先順位を置き、何を犠牲にして何を勝ち取ったのか。そもそも国による一括払いという形式は、相手企業にとっては、支払い事務の一元化で事務費用の大幅削減となり、誠に有難い条件であって、クラウド利用量が増える今後は、このドル建てという不利な契約を円建てにするという契約改正を追求すべきではないか(令和のガバクラ不平等条約と揶揄されないように)。また、デジタル庁は盛んに「大口割引」というメリットがあると喧伝するが、大口割引といっても(現在、ガバメントクラウド契約の9割以上を占めるアマゾンの場合)最大で定価の2割引であって、この割引はかくも素晴らしいものなのか。 ⑤ドイツやフランスにも「ガバメントクラウドへの移行」は主要な国家政策となっているが、そこでは単純に世界を代表する米国ビッグテックと契約するのではなく、「デジタル主権」や「自国産業の育成」を重視していると聞く。デジタル庁はこの点についてどう考慮したのか。特に米国クラウド法への対処として日米政府間で行政協定は必要ないか。デジタル大臣は協定は不要と言うが、米国企業が米国法に則って、我が国の個人情報を国外流出させた場合はどう対処する考えなのか。 ⑥デジタル大臣は「国内企業では「ガバメントクラウド」として必要なセキュリティ水準をクリアできない。それを手加減して使うわけにはいかない」と衆議院の質疑で答弁した。これを受けて、国内産業の育成・デジタル人材の育成を担う経産省として今後どうするつもりか。 ⑦今回の契約/スキームについて、デジタル庁による「預り金の中抜き」や「本来外資の負うべき賠償の肩代わり」などないと考えてよいか。また今後、会計検査院に検査要請をかけたいと考えるので、関連するデータや交渉経過なども含めて、検証に耐えうる記録や文書をしっかり残すと大臣は約束していただけないか。

(3)ガバメントクラウド移行の技術面や経済性について (対デジタル大臣⑨⑩⑪、対デジタル庁⑧) ⑧全国自治体の基幹業務システムは現在、ハードやソフト面でどのように運用されているか。運用のされ方によってガバメントクラウド移行のメリット(例えば、システム運用経費の削減割合など)は変わってくるのか。 ⑨デジタル庁による一部自治体の投資対効果検証ではガバメントクラウド利用の運用経費は目標とする「2018年度比で少なくとも3割減」を必ずしも達成できない。その理由と対策は。 ⑩規模の経済で考えると、インフラとしてのクラウドのみならずアプリも含めできるだけ多くのサービスを統一で提供したり、基幹業務システムに限らずできる限り多くのシステムをクラウドシフトしたりした方がお得にならないか。デジタル庁はそうしていない理由は何か。 ⑪今回の遅延や混乱は、基幹業務システムの標準化は法律上「期限つきの義務」、ガバメントクラウドへの移行は法律上「移行検討の努力義務」などと、全体見通しの悪い政治主導によるスキームが原因とも聞くがデジタル大臣の認識はどうか。

 

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