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2024年5月16日(木)経済産業委員会

「水素社会推進法案」

・いわゆるグリーン水素、ブルー水素、グレー水素などに国際標準は存在するのか。

・水素社会推進法案とはいうものの、水素を国内で大量に生産するというよりは、むしろ海外から水素を量的にも多く輸入する状態が先行するのが実態か。

・我が国の水素社会を推進するにあたり、国内生産と海外輸入の量的バランスは、エネルギー安全保障の観点から戦略的に考えていかなければいけないのではないか。

 

「二酸化炭素貯留(CCS)事業法案」

・二酸化炭素を地層に貯留する(CCS)といっても、具体的に、どこに、どのぐらいの量を貯留することができるのか。それは陸上か海底か。国内にそのような適地がどのぐらい存在するのか。

・我が国が海外でCCS事業を実施したり、外国の企業が大規模にCCSを国際ビジネスとして展開したときに、我が国から二酸化炭素を輸出したりすることも可能か。

・我が国でCCS事業を行う場合、経済性=事業者にとって投資回収の予見性はどうなるのか。現時点で経済産業大臣は、我が国のCCS事業の将来像をどのように描いているのか。

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【法案への附帯決議①】:脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案に対する附帯決議 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

一 我が国が、パリ協定の一・五度目標と整合的に二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するために、既に確立された技術をもって低廉なコストでその達成に貢献できるとされる再生可能エネルギー等の導入や省エネルギー化の取組を更に強化するとともに、本法に基づく支援措置については、エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立、国民負担の過度な増大に留意しながら適切に進めること。

二 低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する各種施策については、省エネルギー化や再生可能エネルギーの普及拡大等の推進を前提として、電化では代替が困難な分野への活用に優先的に取り組むこととし、GX経済移行債をもって行われる他の脱炭素の施策を含めた総合的な効果等を適時分析し、その評価に基づいて投資対象の拡大又は縮小を含めた見直しを的確に行うこと。

三 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行において、我が国のエネルギー自給率の向上や経済安全保障の観点からも重要となる国内における低炭素水素等のサプライチェーン構築を着実に進めるとともに、国際競争力確保の観点から、徹底したコスト削減が図られるよう、必要な措置を講ずること。

四 低炭素水素等に関する技術や製品をいかした我が国の産業振興や、国際競争力強化に向けては、世界の脱炭素政策、とりわけ欧州で炭素国境調整措置が整備されつつある現状に鑑み、各種産業に係る国際的なルール形成や国際標準化において、我が国が主導権を握ることができるよう施策を戦略的に実施するとともに、低炭素水素等の生産過程における脱炭素化を図る取組を推進すること。

五 我が国が持つ低炭素水素等の製造、輸送、貯蔵、活用その他の脱炭素技術について、特に二酸化炭素排出量が多い技術や設備を多く有する国々における産業やエネルギーの脱炭素化への国際貢献も視野に、その質を更に高めるよう取り組むこと。

六 低炭素水素等を活用するための施策が長期にわたって必要となることを踏まえ、事業者が予見可能性を持って事業に取り組むことができるよう、GX経済移行債の先行投資支援を始めとした資金調達や、GX価値の向上、GX製品市場の拡大等を通じてコスト回収を可能とする制度措置を講じ、必要な人材の確保及び育成、技術基盤の強化、低炭素水素等が利活用される機会と分野の拡充等に向けた事業環境の整備を進めること。

七 低炭素水素等のサプライチェーンの構築における地方公共団体の果たす役割の重要性に鑑み、地方公共団体における地域のグランドデザイン作成を支援するとともに、地域産業や、利用者の視点に立ったエネルギーインフラの整備等の取組が着実に進むよう必要な措置を講ずること。

八 低炭素水素等の基準については、本法成立後速やかに設定し、公表するとともに、将来的には、国際的なルールの動向を踏まえて、低炭素水素等の生産時のみならず、利用までのライフサイクル全体の二酸化炭素排出量を評価することを検討すること。また、基準の見直しや支援の在り方の検討に当たっては、水素等の更なる低炭素化・脱炭素化が進むよう配慮すること。

九 GX経済移行債の先行投資支援を活用した価格差に着目した支援及び拠点整備支援などの政府による財政支援は、将来的に事業者が自立することを前提とし、事業者が予見可能性を持って確実に事業に取り組むことができるよう必要となる条件や評価項目・方法等の詳細を明確に定めるとともに、カーボンニュートラルを加速する制度設計とすること。また、支援の実施に当たっては、多額の国費を活用して行われる事業であることや国民負担、国際競争力への影響、炭素リーケージの可能性、負担と受益の公平性等を踏まえ、その施策の進捗状況や費用対効果について定期的に評価及び分析を行い、投資対象も含め必要に応じた柔軟な見直しを行うこと。

十 水素の特性による漏えいや爆発の危険性に鑑み、その製造から輸送・貯蔵・利用・取扱い等における安全性を確保するとともに、保安体制の充実を始め製造保安責任者等への指導、教育の充実、保安に関する技術基準の整備の検討など、安全性向上のための取組を確実かつ早期に進めること。また、事業者による安全対策や周辺住民への影響等について、地域住民とのリスクコミュニケーションが適切に図られるよう取り組むとともに、水素等の物性や取扱い等に関する情報発信等を進めること。

十一 低炭素水素等の供給を促進するため水素等供給事業者に求める自主的な取組を促すための措置については、事業者が取り組むべき基準を明確に定めるとともに、その運用に当たっては、事業者に過度な負担とならないよう十分留意すること。

十二 本法に基づく支援措置の実施に向けての制度設計に当たっては、学識経験者や有識者、産業界、労働界等から広く意見を聴き、その意見を尊重するとともに、意思決定過程の透明性を確保すること。

十三 低炭素水素等の利用を促進するため、国民に対して低炭素水素等に関する適切かつ具体的で分かりやすい情報が提供されるよう、必要な措置を講ずること。

十四 政府は、毎年、低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する施策の実施状況に関する客観的調査を行い、その結果をエネルギーに関する年次報告の中で国会に報告するとともに、公表しなければならないこと。また、国内及び諸外国における低炭素水素等の供給及び利用の状況、技術の進捗その他諸課題について適時調査を行い、分析し公表すること。

十五 低炭素水素等の供給及び利用の状況その他の事情が著しく変動したときは、速やかに低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する施策について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずること。   

右決議する。

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【法案への附帯決議②】:二酸化炭素の貯留事業に関する法律案に対する附帯決議 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

一 政府は、二酸化炭素の分離回収、輸送、貯留に係る技術概要、CCSを導入する意義や必要性等について広く国民の理解を得るため、前面に立って丁寧に説明すること。その際、二酸化炭素の地下貯留に伴う国民の様々な懸念を払拭することに最大限努めること。

二 CCS事業を実施する地域の選定に当たっては、北海道苫小牧市等の先行地域の事例を参考にしつつ、地域住民や地方公共団体、利害関係者を始めとする幅広い国民の多様な意見を丁寧に聴取し、それらの意見を十分に踏まえるとともに、事業者に対し、こうした意見を十分に踏まえて事業を実施するよう求めること。あわせて、地域で活用できる交付金制度を含め、関連する産業や雇用の創出等に向けた支援の仕組みを検討すること。

三 CCS事業の特性として、分離回収、輸送、貯留に至るバリューチェーンの過程で多数の関係者が関与し、事業実施期間が長期にわたる上、地下の地質は不確実性を伴うことから、政府は、その実施に当たって、二酸化炭素が漏えいすることのないよう、公共の安全の確保と環境の保全に万全を期すこと。とりわけ、環境の保全の観点からは、鉱業法や環境影響評価法等を参考にしながら、必要な対応を検討すること。その際、最新の科学的な知見に基づき、事業者の負担にも十分配慮するよう努めること。

四 政府は、CCS事業の実施に当たって、労働団体等の意見も十分に踏まえ、労働者の安全の確保に万全を期すこと。

五 貯留事業者によるモニタリングの内容や項目、貯留事業者から独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構に貯留事業場の管理業務を移管する際の要件や期間等については、透明性を確保しつつ、最新の科学的な知見に基づいて定めること。

六 鉄鋼等の脱炭素化が難しい事業分野において、グリーントランスフォーメーションの推進が図られるよう、当該事業分野におけるCCS事業の支援に努めるとともに、こうした支援と並行して、既に確立された技術をもって低廉なコストで二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に貢献できるとされる再生可能エネルギー等の導入や省エネルギー化の取組を更に強化すること。

七 民間事業者によるCCS事業への積極的な参入を促すため、過度な規制が事業推進の阻害要因とならないよう留意しつつ、分離回収に係る保安措置等の事業規制の在り方を含め、ビジネスモデル構築に向けた環境整備の検討を加速すること。また、事業者が投資回収の予見性を確保できるよう、予算措置や税制措置、カーボンプライシング制度の在り方など、経済的な支援措置や制度的措置を早期に明確化すること。その際、政府による財政支援措置は、CCS事業を将来的に民間事業として自立させ、二〇五〇年カーボンニュートラル実現への道のりを加速できる制度設計とすること。

八 CCS事業に係る費用の低減と安全性の確保を両立し、CCS事業の活用可能性を高めるため、直接空気回収技術を含む二酸化炭素の分離回収や液化二酸化炭素輸送船等に係る技術開発の取組を強化すること。また、CCSを含めた脱炭素技術の研究開発の状況など、CCS事業を巡る状況が著しく変化したときは、速やかにCCS事業に関する施策について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずること。加えて、分離回収に係る技術は、CCSに限らず、カーボンリサイクルの実施の前提となる共通技術であることから、当該技術の研究開発の積極的な推進により、カーボンリサイクルに係る新たな産業分野の育成にも努めること。

九 CCS事業に関して、様々な専門的知見を有する人材を育成する取組を強化するとともに、貯留適地の調査や貯留事業場の管理業務を担う独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構の体制強化に取り組むこと。

右決議する。

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今回は以上です。 いつもありがとうございます。

 

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